FOODEX JAPAN 2007のレポート最終回はそのほかで目に付いたブースと全体的な感想を報告致します。
1.東京農大花酵母研究会
東京農業大学は、農学のみならず醸造関係に関する研究でも世界的によく知られた存在です。研究の一環で様々な花から酵母を抽出することに成功しています。そうした花から取り出された酵母――花酵母を使用して本格焼酎や日本酒を醸している蔵元が集まって共同出展したのがこのブースです。同じ蔵元の別の酵母を飲み比べてみましたが、本当に全く違う酒になっています。日本酒のほうがよりわかりやすいのですが本格焼酎でも違いがくっきりと出ていました。花酵母の酒を飲む機会があればぜひ同じ蔵元で飲み比べてみて下さい。私にとってはかなりのカルチャーショックでした。
2.MN Propolis
ブラジルの会社なのですが、ここがマンジオッカ芋を使用した本格焼酎をブラジルブースに展示していました。キャッサバという名称もあるマンジオッカ芋は、日本ではほとんど見掛けることはありませんが、良質なでんぷん質が取れることからタピオカの原料になるそうです。また、ブラジルでは普通に食用芋として食べられているとのことです。この芋を使用、鹿児島の濱田酒造が技術協力をして作られているのが「伯魂」(はっこん)という(日本でいうところの)本格焼酎とのこと。ブラジルでは九州から渡った日系人に好まれているそうで、今後日本にも輸入されてくるとか。一風変わった本格焼酎ですが、お湯割りで呑みたい感じの美味しい焼酎でした。見掛けましたらぜひ試してみて下さい。
~全体感想~
今回初めてFOODEXへお邪魔したのですが、幕張メッセを全部使用しての盛大なイベントだけあって、何しろ広い、という感想でした。本格焼酎関係のブースは全て見たつもりですが、見落としがありましたら申し訳ありません。
本格焼酎のブースは、一見すると全く違う方向を向いているように見えますが、実際には何処も「ブーム以後」を見据えて、動いているというのが大きな印象でした。文化を伝える蔵があり、まだ都会では一般的ではない飲み方を伝える蔵があり、ブームで向上したイメージを元に新たな世界へ踏み出す蔵があり、と何処も浮き足立つことなく、しっかりと一歩一歩歩んでいこうという動きをしています。FOODEXというのは大きな展示会です。そのため、本格焼酎のイベントで見掛けない、あるいは呼んで貰えない大きな蔵が多く参加していましたのでいつもとは違った感じを受けました。
都会の焼酎イベントはどうしても小さな蔵元のこだわり焼酎ばかりを追いかけてしまいますが、機会があれば今回出展していたような地元九州の焼酎シーンを全体で支えている大きな蔵にもぜひあって話を聞きたいと感じました。九州では様々な人々が一生懸命になっておられる、それは蔵の規模には関係なく、みんながそれぞれの立場で懸命なのだろうと思います。私がそうしたイベントをすることはおそらくは難しいとは思いますが、蔵の規模に関係なく、一回に一つの蔵元を招いてその蔵の焼酎をただ一緒に呑むという時間の共有をしてみたいと思うイベントでした。
6日間に渡ってレポートをしましたが、ここまで呼んで下さった皆様、どうもありがとうございました。このBLOGでは今後も本格焼酎に関してこのようなレポートもしていきたいと思っておりますので引き続きご愛読頂ければ有り難く思います。
FOODEX JAPAN 2007 レポート6~東京農大花酵母研究会・MN Propolis・総括感想~
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